経営者の交替時に生じる相続税の負担は事業承継の足かせになりかねません。2018(H30)年税制改正における事業承継税制の改正の主眼は、中小企業の事業承継を進める際の障害物を取り除くことにありました。それを受けて、事業承継の税務対策を念入りに立案しなければなりませんが、それだけで事業承継そのものが安泰となるわけではありません。

　そもそも事業承継とは、今の経営者が世代交代した後も事業が継続していくことですから、環境変化への対応、経営資源の活用、経営体制の確立といった視点からの事業経営体制の引渡しととらえることが必要です。

そのためには、中長期の事業計画、後継者の育成計画も併せて検討する必要があります。

時間も体力も気力も要します。早めに着手されることをお勧めします。